より安全・安心なバスのために『バスドライバー安全運転コンテスト』
より安全・安心なバス運行のために
『第1回バスドライバー安全運転コンテスト』を開催!
2016年10月9日。東京バス協会主催の「第1回バスドライバー安全運転コンテスト」の路線バス部門大会が、府中運転免許試験場で行われました。東京バス協会主の加盟事業者のうち11社のバス会社から選りすぐられた22名の運転士が、日頃の鍛錬の成果を競い合いました。より安全・安心なバスの運行に、日々真剣に取り組む運転士の皆さんの熱い想いが感じられる意義深いコンテストとなりました。
写真は、右から個人総合優勝の森口さん(京王バス東)、同準優勝の高松さん(国際興業)、同3位の築地さん(西武バス)。
「第1回バスドライバー安全運転コンテスト」関係者・参加者の記念写真。
■より安全・安心なバス運行のための、新たな試みとして誕生したコンテスト!
- 東京バス協会・市橋さん
●『第1回バスドライバー安全運転コンテスト』の概要
東京バス協会主催の『第1回バスドライバー安全運転コンテスト』は、2016年10月9日(日)に開催された第一部「一般路線バス部門」につづき、第二部「高速路線バス、空港連絡バス、貸切バス部門(2017年2月12日(日)開催)」の二部構成で実施される新しい試みのコンテストです。
第一部「一般路線バスの運転士」コンテストは、東京バス協会に加盟する小田急バス・神奈川中央交通・関東バス・京王電鉄バス・京成バス・京浜急行バス・国際興業・西武バス・東急バス・東武バスセントラル・西東京バスの11社が参加し、各事業者から選ばれた2名の運転士22名によって、東京・府中運転免許試験場で実施されました。あいにくの雨にもかかわらず、熱い戦いが繰り広げられました。
●現場の運転士の安全意識の向上と、
さらなる安全・安心なバス運行のために
東京バス協会の市橋さんに、その開催の目的について、お話を伺いました。
「このコンテストは、より安全・安心なバス運行のための、新たな試みとして取り組むものです。最近起こった悲惨なバスの事故によって、バスの安全性について社会的な関心が高まる今、このコンテンストを開催することは、大変意義のあるものと思います」
「バス事業者の安全・安心なバス運行へのモチベーションの向上だけでなく、その「最後の砦」となる現場のドライバーの、決意と覚悟を示してもらい、さらにはこのコンテストの結果をそれぞれの事業所にもちかえって、現場の意識を高めてもらいたいのです」
■『第1回バスドライバー安全運転コンテスト』の表彰式
●第一部「一般路線バス部門」の団体総合、個人総合、個人各コースの受賞者が決定!
「第1回バスドライバー安全運転コンテスト」の第一部「一般路線バス部門「」の受賞者が、下記の通り決定しました。
【一般路線バス部門:団体総合】
●団体総合優勝:京王電鉄バスグループ(京王バス東・京王バス南)
●団体総合準優勝:国際興業
- 団体総合準優勝の国際興業
- 団体総合優勝の京王電鉄バスグループ
【一般路線バス部門:個人コース別】
●個人基本Aコース優勝:山口さん(京成バス)
●個人基本Bコース優勝:森口さん(京王バス東)
●個人技術コース優勝:高松さん(国際興業)
写真中央左から、高松さん(国際興業)、森口さん(京王バス東)、山口さん(京成バス)
【一般路線バス部門:個人総合】
●個人総合優勝:森口さん(京王バス東)
●個人総合準優勝:高松さん(国際興業)
●個人総合第三位:築地さん(西武バス)
写真中央左から、築地さん(西武バス)、高松さん(国際興業)、森口さん(京王バス東)
- 京王電鉄バスグループの河内さん
●受賞者インタビュー・
団体総合優勝・京王電鉄バスグループ・河内さん
団体総合優勝・京王電鉄バスグループの河内さんに、受賞の喜びをお伺いしました。
「昨年から『グッドドライバーズコンテスト』という社内コンテストを実施しており、10月に第1回、今年の6月には第2回を実施しました。今回の「第1回バスドライバー安全運転コンテスト」の参加者2名は、社内コンテストの上位入賞者2名がそのまま選出されました」
「今回のコンテストのようにプロでも難しいコースは、通常の運行の中ではあまり遭遇することはないかと思いますが、このようなコースに対応することは自らの運転技術を再確認する良い機会になると思います。社内コンテストでも「たこつぼ」のような難コースを設定しましたが、そこでプロとしてのプライド意識をもって取り組んだ結果が、今回の受賞につながったのではないかと思います」
- 京王バス東の森口さん
●受賞者インタビュー・京王バス東・森口さん
個人総合優勝・京王バス東の森口さんの受賞インタビューです。
「コンテストのために、何か特別なことをやっている、ということはまったくありません。日常の業務の中で、いつも安全・安心な運行を心がけていますので、その成果を発揮できて大変嬉しいです」
■プロでも難しい、コンテストの難コースを紹介!
●基本コースA:交差点、踏切、方向変換、鋭角走行など、基本のコースにも落とし穴が!
全コースとも、100点を持ち点とする「減点方式」で採点されます。このため、基本コースAは、基本的な運転技能のコースにもかかわらず、意外な落とし穴がありました。交差点左折時、踏切の「いったん停止無し」も減点の対象です。また、方向変換や鋭角走行にはタイム計測も順位を決めるポイントとなっており、切返し回数が増えるごとに、減点の対象となっているのもプロならではの厳しい試験といえます。
- ②交差点左折
いったん停止が無い場合は減点
- ①方向変換
切返し回数による減点、タイム計測を実施
- ④方向変換
切返し回数による減点、タイム計測を実施
- ③踏切
いったん停止が無い場合は減点
- ⑤鋭角 切返し回数による減点、タイム計測を実施
●基本コースB:停留所、クランク、坂道発進、S字走行など、日々の業務にもよくある場面が!?
基本コースBは、停留所や坂道発進など、日常業務が想定する交差点左折時、踏切の「いったん停止無し」も減点の対象です。また、方向変換や鋭角走行にはタイムトライアルも順位を決めるポイントとなっており、切返し回数が増えるごとに、減点の対象となっているのもプロならではの試験といえます。
- ②停留所正着(降車)
高齢者が降車する前後の安全確認が重要
- ①停留所正着(乗車)
高齢者疑似体験セットをつけて実際に人が乗車
- ④坂道発進
メジャー計測により、20cm超の後退が減点対象に
- ③クランク
切返し回数による減点、タイム計測を実施
- 高齢者疑似体験セットの装着と
雨のぬかるみで、担当者もひと苦労でした
- ⑤S字走行
切返し回数による減点、タイム計測を実施
●技術コース:難易度高のパイロンスラローム、たこつぼ!
技術コースは、難易度の高いパイロンスラローム、たこつぼ切返しを実施します。プロの運転士にとっても、かなりの難関です。
- ②たこつぼ切返し
切返し回数による減点、タイム計測を実施
- ①パイロンスラローム
切返し回数による減点、タイム計測を実施
編集後記
より安全・安心なバスをめざすために、どのような取り組みが必要か。業界が一丸となって方策をたてながら、バスの仕事に携わる一人ひとりの意識の向上も、重要であることを気付かされたコンテストとなりました。コンテストに参加した運転士の皆さんだけでなく、このコンテストに携わった全員が、安全・安心への意識を強くもって真剣にコンテストに参加されていた姿が印象的でした。来年、2017年2月12日には、第二部「高速路線バス、空港連絡バス、貸切バス部門」が開催されます。第二部でも、安全・安心のために熱く競い合う、皆さんの力強い姿を楽しみにしています。