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『バスフェスタ2012』バスの祭典で出会った、バスを支える人々

『バスフェスタ2012』バスの祭典で出会った、バスを支える人々

2012年10月13日(土)、秋晴れの快晴に恵まれたこの日、東京・代々木公園ケヤキ並木で『バスフェスタ2012 in TOKYO』が開催されました。バスのデザインコンテストの表彰式をはじめとするステージイベント、コンテストのラッピングバス[国土交通大臣賞]や災害時事務所車、燃料電池車などの展示のほか、ロンドンオリンピックのメダリストパレードを彩ったスカイバスの周遊体験など、バスを支える企業各社が工夫を凝らした出展を行いました。バスの「いま」を伝える祭典の中で、バスを支える方々のバスへの想いをひろい集めてみました。

バスフェスタ特設サイト2012

※バスフェスタ特設サイトオープン!こちらも合わせてご覧ください!

■バスが好き!その純粋な気持ちが創り上げたバスのデザイン

バスのデザインコンテストの審査委員と受賞者が、ラッピングバスを背景に記念撮影
「国土交通大臣賞」は第二さくら保育園の皆さん、「日本バス協会会長賞」は佐伯航太郎君、「審査委員長賞」は松本学英君が受賞

とにかくバスが好きな松本学英君は、
はにかんだ笑顔で「バスが好き」と話してくれました
バスが大好きな航太郎君は、将来は人の役に立つために
お医者さんになりたいと真剣に考えているそうです
園長先生と園児代表の○○君とそのご家族
宇佐見園長先生と園児代表の○○君とそのご家族
かぶとむしを描いてくれた宇佐見君
平松園長先生といっしょに表彰式に出席しました!

●とにかくバスが大好きなんです!

きっかけは、「とにかく小さなころからバスが大好き。大人になったらバスの運転手さんになりたくて、毎日バスの絵を描いているので参加しようと思いました」話してくれたのは「審査委員長賞」を受賞した松本学英君。「大好きなバスと虫、とってもきれいで驚いた沖縄の海を描いた」そうです。ご両親のそばで、言葉少なにはにかむ学英君は、「家じゅうの壁がバスの絵で埋め尽くされるくらい毎日バスの絵を描いていますが、本当に楽しんで描いています」とお母さんが話してくれるくらいにバスが好きだそうです。ずっとバスが好きでいてくれるといいですね。

●自分の好きなバスを走らせてみたい!

「バスはワンステップよりはツーステップのものが、ドアはスライド式よりも折り畳み式のものが好きです」表彰式の舞台でも、はきはきと受け答えする佐伯航太郎君。「折りたたみ式のは古いので、レア感があっていいです」。バスへの熱い思いを自分の言葉でしっかりと語ってくれました。
このコンテストに参加したのも「自分の好きなバスを走らせてみたくて、初回から参加して今回が4回目になります。これまでにも賞をもらいました」という、筋金入りのバス好きです。今回のコンセプトは「友達6人くらいとみんなで同じように星に乗って旅に出られたらいいなあと思って」描いたそうです。
「バスが好きで、赤ちゃんの頃から絵と言えばバスか電車などの乗り物しか描かないのです!」と語るお母さん。航太郎君は、今回「日本バス協会会長賞」を受賞しました。

●園児が全員でがんばりました!

今年の「国土交通大臣賞」は、岡山県の第二さくら保育園の皆さんが受賞されました。表彰式には、平松園長と宇佐見吉之助君が代表で参加しました。
「担任がチラシを見て参加したいと希望したのがきっかけです」と語る平松園長。「こういったコンテストは初めてなのですが、目標があるせいか子供たちもさらに一生懸命取り組んでいました。受賞を聞いて本当にびっくりしました」。
代表で来てくれた宇佐見君は、「かぶとむしはぼくが描きました」と笑顔で教えてくれました。皆さんでがんばって描いた絵がバスのデザインになるなんて、とてもすてきですね! 
またぜひ参加してください!

■明日のために「いま」を考えるバス事業者の取り組み

災害時事務所車を発想、開発された
東急バスの澤又さんと田爪さんにお話を伺いましました
災害時事務所車の全景
災害時に、いまあるバスをどう活用するかがポイントだ
災害時に起る大規模停電に備え、バスのバッテリーで
稼働する給油機を各営業所に設置

●災害時事務所車を出展した東急バス

東日本大震災において、バスが公共交通として被災地域に果たした大きな役割を考えると、明日のために「いま」を考え、いざという時にバスができることを考えることが何より大切です。震災時に、バスが臨時事務所として活用された事例を教訓として誕生したというこの災害時事務所車。首都圏地震が身近で現実的なものとなった「いま」だからこそ、来場者の関心の高さが伺えます。

●災害時事務所車の発想
東急バスの澤又さんへのインタビュー

バスを開発したきっかけは東日本大震災ですね。私どもとしても今後の備えになればということで、このようなものを設計してつくってほしいと開発者の田爪と橋本に要請しました。
災害の際は車庫にどんな車両が残っているのかわかりませんので、どのメーカーの車にも使えるよう、底床部に臨時の事務所ということでデスク等も設置し、臨機応変に対応できるようにしていることが、このバスの大きな特長です。他には無線機、衛星電話があります。
また、すべての乗務員にPHSとその充電器を持たせているほか、インターネットでの情報収集のためにパソコンを携帯させています。弊社では「パスナビ」というお客様向けのサービスがあり、災害時にはそれらも活用しながら位置情報等の情報収集を行うことになっています。東京、神奈川の12の営業所ごとにゼネラルマネージャー(所長)を中心に、地震が発生したという想定で訓練も行っています。

●災害時事務所車の発想
東急バスの田爪さんへのインタビュー

どの車両でも使えることを目指して開発したのですが、メーカーごとに椅子の広さなどそれぞれサイズが異なります。例えば、フロントタイヤの所にテーブルがあるのですが、メーカー毎にタイヤの大きさが違うので、それを引っかける可動式のアームを取り付けたり。最初はそういった発想がありませんでしたから、汎用性を持たせるのに苦労しましたね。テーブルも持ち運びできるよう自作しました。

バソコンや無線機で使用するため、バスの24Vバッテリーをインバータ(左写真のパソコン下に設置)で100Vに変換

パソコンの台(左写真)は、さまざまなバスに適合させるためサイズ調整が可能なように自作

■安全・安心運行のための事業者の取り組み

運転席に設置されたカメラの映像や走行データは
パソコンに情報として送られ瞬時に記録される

●運転訓練車を出展した神奈川中央交通

映像や走行データの記録から、安全運行の改善点や不足事項などを、具体的に評価できる運転訓練車。運転訓練車といえば若手育成が基本ですが、神奈川中央交通ではさらに「研修制度」を設けて、運転士のスキル向上に努めています。関越道の事故等などの影響により、バスのさらなる安全性の確保が急務となっているいまこそ、利用者の信頼に応える活動が重要です。

●安全管理面でも重要な運転訓練[インタビュー]

運転訓練車は、入社して各営業所で経験を積んだ乗務員の「1年後研修」に使用したり、また、事故に遭った者や問題点が見受けられる者の技量の再チェックにも活用しています。
訓練車は各営業所に半月程度ずつ貸し出すような形で巡回しており、少なくとも半月は22の各営業所で何らかの形で使われています。
この訓練車では、運転手の顔の向きや表情までをカメラでチェックするのですが、訓練を受けた職員は、普段自分の運転している姿を見ることはないので改めて気づくこともあるようです。
「1年後研修」では乗務員が大体20~30分程度運転し、その模様をカメラでチェック、それをもとに各営業所から選抜された4名ベテラン乗務員が問題点や改善点を指導します。

■エコな未来社会の実現を目指すバス事業者の取り組み

来場者の質問に、いつもていねいに説明される伊藤さん
バスの運転手兼船舶操縦士の大場達明さん
高圧水素タンクを天井部に配置し、後部にバッテリーと
パワーコントロールユニットを積んだ燃料電池バスのしくみ

●東京空港交通のリムジンバスの実証実験

東京空港交通では、2010年12月16日より、都心と成田空港、羽田空港を結ぶ高速道路の定期路線で、「水素ハイウェイプロジェクト」といわれるわが国初の燃料電池バス運行の実証実験を行っています。このプロジェクトでは、燃料電池バスに水素を供給する水素ステーションも建設され、毎日の運行を行っています。トヨタ自動車と日野自動車が共同で開発した燃料電池バス(FCHV-BUS)は、ノンステップのボディーがベースになっています。

●究極の自然エネルギー発電
東京空港バスの伊藤さんへのインタビュー

現在、日本で走っている燃料バスは5台しかありません。そのうち3台はノンステップの普通のシティバスの形式です。
弊社のバスも元はそうだったのですが、わが国初の高速道路使った営業運行を日々行っていく中で、毎日の水素充填などの実証実験を行い実用化を目指しています。
この燃料電池は水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を取り出し、その電気を使ってモーターを動かす仕組みのため、排気ガスが出ないクリーンなエネルギーでバスを運行することができます。
私たちが使っている水素は都市ガスから取り出した水素を使っています。通常、発電したものは蓄電池などに蓄えておかなければなりませんが、このシステムですと、水素と酸素に分けておけば、必要なときに電気が使えるので究極の自然エネルギー発電と言えるかもしれませんね。

■あこがれのバスガイド!内面の美しさこそがバスの華!

クルーザリフトに持ち上げられる「SKY DUCK」号

ステージイベント「あこがれの!バスガイド制服ファッションショー」で勢ぞろいしたバスガイド
バスガイドになったきっかけ、制服のファッションのポイント、おしゃれで気をつけていることなどをインタビューしました

勤続17年をむかえる神奈中観光の村田さん
お客さまに喜んでいただけた時がいちばん達成感を感じるそうです
ステージはいつもと勝手が違うのですごく緊張しました
でもとても楽しかったです、と語るはとバスの金子さん
このような大勢の方がいらしゃるイベントには初めての参加
はじめはかなり緊張しました、と語る武蔵観光の岩崎さん

●「旅好き」がきっかけ
神奈中観光の村田さんへのインタビュー

昔から旅行が好きでしたし、それにアルバイトで経験した接客が楽しかったので、両方を兼ね備えた職業はこれしかない!と思ってバスガイドになりました(笑)。
制服のおしゃれのポイントは、スカーフでしょうか。今日は秋の青空をイメージしてブルーを着けてきました。他にはパープル、ピンク、ダークブラウンの合計4種があります。その日の気分や気候によって色を選んだり、巻き方も変えています。
普段からおしゃれで気をつけていることは、とにかく清潔感ですね。制服に汚れやシワがないか、靴が汚れていないかを常に確認するよう気を付けています。

●「先輩の話」がきっかけ
はとバスの金子さんへのインタビュー

大学の講義で、はとバスに勤務する先輩が話に来てくれたことがあって、すごく楽しそうに話すのを見て、「自分もバスガイドをやってみたい」と直感で思いました。
制服で好きなところは、ひと目で「はとバス」とわかるカラーが好きです。さわやかなイメージも気に入っています。スカーフの巻き方は自由なので、皆さんここで個性が出ますね。私は見た目よりも楽な巻き方が好きです。
普段からおしゃれで気をつけていることは、小さなお子様からお年寄りまで幅広い層のお客様がいらっしゃるので、誰にでも好感を持たれるような印象になるように気をつけています。

●「修学旅行のガイドさん」がきっかけ
武蔵観光の岩崎さんへのインタビュー

高校生の修学旅行で南九州に行った際、私たちをすごく楽しませてくれた現地の若いバズガイドさんに感動して、私もなりたいなと思ったのがきっかけです。
制服のおしゃれのポイントは、制服はややシックかもしれませんが、スカーフで個性を出すようにしています。この巻き方も自分で考えました。首に巻かずにワイシャツの上から巻いているガイドさんもいらっしゃいます。
普段からおしゃれで気をつけていることは、お客様の前に立つお仕事なので、お化粧は濃すぎないよう、ナチュラルなイメージを心がけています。



インタビュー後記

バスフェスタ in TOKYOの開催も今年で4回め。バスにかかわる皆様が、バスの普及のために積極的に協力し合う様子には、いつも心を打たれます。これまで、バスフェスタの活動詳細につていは、まとめたご紹介ができませんでした。そこで、今回は「特設サイト」を制作し、これから毎回「プレビュー」と「リポート」で、さらに積極的にアピールしたいと考えました。
『BUS STOP』では、バスを支える人にポイントをしぼって、いつものインタビューでまとめてみました。特設サイトは、バスフェスタの来場のきっかけになるように、そしてできるだけイベントの楽しさや、バスやそれに携わる方々のすばらしさが伝わるように趣向をこらしてみました。
バスにかかわる職業を選んだ多くの仲間たちが口にするのは、その職業への「あこがれ」や、自分の思い出や体験の中に息づく先輩たちの姿です。たった一度の出会いが楽しい旅の思い出とともに、鮮やかな記憶となって語りつがれるよう、これからもバスフェスタを通して、バスのすばらしさを伝えていけたらと思います。

バスフェスタ特設サイト2012


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